限
環境を変えると言うことは、今まで関わっていたものにお別れをする。
普段何も感じていなかった毎日見るコンビニ、
いつも乗っていたビルのエレベーター。
もうここへは来ることはないと感じた瞬間、全てが名残惜しくなる。
逆にお別れの目処が立っていない、変哲もない毎日の中では、
その代わり映えしない風景に、憎らしい気持ちすら湧き出てくる。
人は「最後」という言葉に弱い。
最後の1個!、今年最後の・・・
今日で会えるのが最後、最後に会えてよかった、
感覚を高揚させたり、切なくさせたり、揺さぶられる言葉だ。
自分の命が限りあるものと、毎日肝に銘じて生きるのも、私は正直難しい。
だけど、限りあるものだと全ての感覚で感じないと、私は心から生きようとしない。
地に足がつかない。
限りあるものだと常日頃感じることができたら、
全てのものが愛おしく感じるのだろうか。
私はこれから、多くのものとお別れをします。
終わりが見えないものも愛せますように。